短編 冬のカイダン

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竹山は隣を見る。 リリコは、姿勢良く風間に身体を向けていた。 「…誰も…いませんでした…寝ぼけていると思い、顔を洗おうとトイレに向かいました…」 部屋で聞こえるのは、風間の声と、エアコンがうおんうおんと鳴る音。 「トイレに着き…まず、用を足しました…ズボンを上げようとした時です…」 望月が、片方の耳を押さえ、鳥居は、目を輝かせている。 「…はっきりと、…後ろから…聞こえてきたんです…」 風間は顔を上げ、辺りを見回してから続けた。
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