短編 冬のカイダン

12/15
前へ
/23ページ
次へ
「…私の右足…早く探して…と……」 大きな音を立て、望月が椅子から落ちた。 「…怖くて、すぐに、トイレから出ました…。 そして、…部屋に戻ると、すぐに緊急連絡が入りました……」 床にしゃがみ、両耳を塞ぐ大きな身体。 それに構わず、三人は風間の言葉を待つ。 「…右足がないホトケが…神戸港からあがったと…」 しんと、部屋が静かになった。 「…あ、空調止まりましたね。…良かった」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加