第1章

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千尋「アタシは元々そっちの出身だからさ! 根っこからがっちり教えてあ    げるよ」 正明「俺さ、今日ばメックでツーリングするってフルサワのおやっさんから    訊いたんだけれど」 千尋「あれは……」 弘 「嘘よ」 正明「静岡まで来てメック天城越えっていうのも?」 弘 「お金掛かるし……そもそもメックじゃあそこそこ」 千尋「夢でもみてたんじゃーない? アハハ」 正明「そりゃないってよー! 今日は茶柱が立ったから良い日だと思ってた    のに。なぁ?」 大袈裟に笑う千尋と対照的に、溜息を吐いて肩を落とす正明。つい流れで彼の メックであり相棒の『ノーティフロッグ』に声を掛けるも、返事はない。 ノーティ:OFF(エンジン駆動音を唸らせながら) 正明「ははは、がっくし。お茶。飲みたかったなぁ」 落胆を露にし落ち込む。 千尋「新宿での大大会が終わってからでいいじゃない、静岡なんて」 弘 「ねぇ千尋。アレがもしかして」 千尋「ん?」 河川敷に複数人の人影と、メックが見えている。 千尋「もしかしなくても! そう! あそこだ。オーイ」 ブンブンと大振りにミタスティングレイの右腕を動かす千尋。 千尋の合図に呼応するように、手を振り撒く河川敷の一同。 ○首都高外観/荒川外観/河川敷沿いの敷地内/仮設の障害物等 モブ?@「アネキー! いつもの。やっちゃって下さいよー!」 千尋 「うりゃあ!」 千尋、フットペダルを忙しなく左から右へと動かし瞬時にギアチェンジとアクセルを駆け、加速させる。 (S.E)ギャッギャッギャギャギャ!! グイっと両ハンドルを握りしめ、河川敷と公道を挟むガードレールの方へ直進する千尋。交通安全どうのこうのはお構い無し。左スティックのしゃがみレバーを押し込み、激突せんとばかりの加速が連続的に顕著になる。 正明「あ! あ、危ない」 千尋「いっけえええええええええええええええっ!!」 正明の声色と同タイミング。千尋、しゃがみレバーを左方部のボタンでキャンセルすると共に右スティックのジャンプレバーをおもいっきし握る。 ○ミタスティングレイ(アオリ:インサート:カット3) そして、跳躍。ガードレールをゆうに飛び退き、文字通り宙を捲いている。 弘 「わぁ…………」 正明「す、すげぇ! これが、これが!」 とびっきりの跳躍に心底驚きを隠せない正明と弘。 千尋「にひひ。どうよぉ!」
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