第1章

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ニヤリと満面の笑みを浮かべ、正面のディスプレイで下を覗き込む千尋。 右レバーとアクセルの両方を用い、メック本体の重心を左に寄せ、 更に両レバーをグイっと前後逆に倒す。 急旋回と、キャンセルをともわない二重の行動シークエンスにより、 千尋のメックは宙を舞いつつ左斜めの姿勢で回転を開始。 正明「な、何をするつもりなんだ」 公道をゆっくりと駆けながら、千尋のいる宙の方へと見やる。 モブ?A「あ、あれは! ひょっとすると、ひょっとするかもしれない!」 モブ?B「あの構えは! まさか」 モブ?C「あれこそが!」 ○ミタスティングレイ(フカン/アオリ/正面:カット3r) モブ 「「「Cスクリュースイッチだぁぁあああ!!!」」」 グっと握り拳をキツく締め、口を大きく開ける河川敷の面子一同。 それぞれの瞳は輝いており、そこには正明が知らなかった『競技』に対する 情熱が滾っている。 千尋「正明君!」 ぼけーと千尋の跳躍回転を目の当たりにしている正明。突如、千尋から通信。 千尋「口で言ったって分かりゃしないから、やっちゃった」 ○千尋逆さカットイン 千尋「凄いでしょ」 ○正明:右二窓カットイン 正明「こ、これが」 ○千尋&正明カットイン 千尋「そう。これが」 正明「アクロバーティカルか」 千尋「どう? 案外面白いかもしれないでしょ? アタシもそうだったからさ    ……メックバトル見たいに、おもいっきりイケると思うよ!」 正明「千尋……」 背中を千尋の方から押され、照れくさくなる正明。 ○ 太陽/下からPAN/カラスの群れ N 千尋の一押しによって新たなメックの筋道を垣間見ることが出来た正明。 だが、ノーティフロッグで新たなアクションを容易く出来る筈も無く、 彼が本格的に『アクロバーティカル』を体得するのはほんの少し先の話なのであった。 完
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