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たくさんの星座に囲まれて
七恵とこのはは座席を倒し、今夜はこのプラネタリウムで泊まることにした。
だが、七恵はふと座席に寝そべる瞬間にある違和感を覚え始まる。
あのとき、持たされたスコップで襲いかかったクラスメイトたちを七恵は確かに不意にも殺した。
だが、殺した感触…あれは、
あれは、
一度体験したことがあった
感覚ーーーーーーーー?
「あれ…このはさん?」
いつの間にか隣で寝ていたはずの
このはがいない。
七恵は、不安げに室内を出ると薄暗い廊下へとこのはを探しに出ていく。
真っ暗でなにも見えない廊下を少し歩いた時である、後ろから誰かに呼び止められる。
「七恵ちゃん」
「え、」
その直後、鈍い音が頭を殴る。
ぼやけた視界にはあの時、殺したはずのクラスメイトの男が一人立ってい立っていた。
手には金属バットを持って。
「七恵ちゃん、痛い?
僕だって君に何度もスコップで殴られて頭の形おかしくなっちゃたんだからね。
これは、ほんの少しのお返しかな」
「いたっ…なんで…生きて…」
「死者だからだよ、ぼくらここの住民は全て君が生きる真逆の世界の死者たち。
鏡の世界といった方がわかりやすいかな?
そこに君は、また帰ってきた…
ぼくは君がいた世界の出入口を見つけて、
多くの死者を増やすんだ…
永遠の命…永遠の世界…
そしてぼくは頂点に立つ…でも、そのためには戒めに七恵を少し傷つけさせないと、ね?」
「ちょっと…待って…
また戻ってきた…?それって…」
その瞬間、バットが勢いよく振り落とされる。
ーーーーーーーーー殺される!!!
「この豚野郎が、」
だが、振り落とされたバットは空中に舞う。
血の雨をふらせて…
廊下に閑散に転がったのは金属バットと、それを持つ白い腕。
男はゆっくりと、のけぞった。
「秋山このは、てめぇええええええ」
「ちっ、煩いわね」
そこには、斧を持った秋山このはが。
「七恵ごめんねぇ、私が少し目を離した間に…もう、怖くないからね!
私がついてるんだもん、誰にも触らせない」
「このは…さん」
このはが、白い手を伸ばし瞬間七恵の手を掴もうとする。が、七恵は手が重なる瞬間なにか違和感が走る。
「手首…」
「え?どうしたの七恵?」
「このはさん、
手首の、傷がなんでないの…?」
「…七恵、」
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