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それは、例えるならフランス人形のような魂を持っていかれそうな程に、
どこまでも美しい少女であった。
彼女の名前は、
秋山このは。
この春、真城高校に転入してきた女の子だ。
色素の薄い赤っぽい髪は肩まであり、付けてるリボンのカチューシャがとてもよく似合っている。
そんな、彼女をみて誰もが目を輝かせる中、桜 七恵はみんながざわめく声でハッと目が覚めた。
「うっ、夢か…あの子ってだれだろ…」
七恵は、寝ぼけながらも夢の続きをどうしても思い出そうと眉間にシワを寄せて考え込む。
桜 七恵、彼女はごく普通の女の子で、長い髪をポニーテールに縛り、なんと女子で身長が170センチもある…あだ名は、「巨人兵」だ。
「ごきげんよう、いい夢でもみていたんですか?」
「え?!」
刹那、静かな声が頭上で呼ばれて七恵は勢いよく席を立つ。
それも、かなり慌てて。
自分よりはるかに小さい、それをみて恥ずかしさのあまり赤面する。
そこに満面の笑みを浮かべるのは…
「面白いかたですわね…私、秋山このはです。
以後お見知りおきを」
「はぁ…美の女神?」
「ふふ、まだ寝ぼけてらして?
もうここは夢ではないですわよ…」
その時である、まるで美の女神のような秋山このはが、一瞬で七恵の背中を凍てつかせる。
「 七恵 、
私が守ってあげるから。
世界中の人間を殺してでもね」
それが、全ての始まりであった…
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