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放課後のチャイムが鳴る。
七恵は、クラスで仲良しの親友である、えつ子と下駄箱でなにやらキャピキャピした感じで浮かれている。
「七恵ぇ、また帰りにクレープ?太るよ」
「えっちゃん、酷い!クレープは私の大好物だから仕方ないじゃん」
「別にいいけどさ、最近クレープ寄りすぎて太ったんじゃない?背も高いし、部活してるからって油断したら飛べない豚になるよー」
「飛べない豚って…えっちゃんの馬鹿!もういあもん!ふん」
「仕方ないな、コンビニの給料日前だからおごってよね」
「ぶひっ!?」
そして、夕暮れ時である。
七恵たちはいつもの公園のそばにあるクレープ屋につくと、お決まりのホイップとアイスクリームのクレープを頼む。
美味しそうに口にハムスターのように含む七恵に、いつものようにクスクスえつ子は笑う。
まるで、その姿は姉妹のように微笑ましい光景だ。
「もう、七恵ったらほんと子どもみたい。可愛いんだから」
「まだ子どもだもん、あ…えっちゃん。今日さすごく綺麗な転校生きたよね?秋山このはさんって…確か」
その名前を口にした瞬間、風もないのに公園の木々が激しく揺れ動く。
烏たちは、逃げるように空に飛び立つ。
「七恵…気になるの?秋山このはさんのこと」
「え…うーん、綺麗な人だとは思うけど。
私ね、馬鹿だと思うけど…秋山さんをみると、なんだか懐かしい感じがするの。」
「七恵、やっぱりだめ」
えつ子は、とても寂しそうな声で七恵の手首を掴むと、閑散に二人のクレープが地面に落ちる。
訳のわからない様子で、七恵はいつものは違うえつ子の冷めた顔色に肩を震わせた。
「えっちゃん?…こわいよ」
「あの女が、七恵をヤるまえに私が」
二人の息が近い距離まで縮まった時である、
鈍い音が走り、同時に、えつ子がゆっくりと仰け反る。
「え…えっ…ちゃ」
真っ赤な血が、
七恵の顔に容赦なく飛び散った。
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