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地面に鈍い音で転がる血まみれの斧…
仰け反るえつ子をみて、
興奮した笑いがどこからか走る。
「ひゃはは!クセぇんだよ、雌豚が」
そこには、転がる斧を手に取り、豹変した天使…
いや、悪魔がいた。
秋山 このはーーーーーーーー!!!
「まじで、勘弁だっつーの。
七恵に手を出したら殺すって前にも言ったよなァ?!ぁあ?!」
まるで別人だ。
あの絵にかいた美しい天使は、まるで悪魔のように血だるまで倒れてるえつ子を足蹴にして笑う。
「いや!やめて、秋山さん!どうして?!」
七恵は震える手でこのはの手を掴み、止めようとするがその凶器は、一向に収まることはなく、
ただただ時間が過ぎようとしていった。
「はぁ、はぁ、七恵もう離して」
「や、だ…だめ」
このはは、ずっと涙を流す七恵の細くて白い手をゆっくり振りほどくと、自分の方へとゆっくりと抱き寄せる。
まるで愛しそうに、そっと。
「七恵なかないで、これは全部七恵のためなの。七恵は誰にも渡さない…七恵」
「私のため…それって…」
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