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実は……最初は単純に、断れなかっただけだった。
夏の暑い日、学校帰りに買った自販機のジュースを分けてくれた浩介。
自分が一口飲んでから、
「はい」
って、当たり前みたいに渡してくれたオレンジジュースの缶。
「私、人が口つけた物、飲めないんだ」なんて言えなかった。
それからも、
「コレ美味い!食ってみ」とか「うわっ、新触感。食え食え」なんて、自分が美味しいと感じた物を私に分けてくれる浩介の行為をむげには断れなくて……。
そしてそれが数を重ねるうち、浩介の物だけは食べられる私……が出来上がってしまった。
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