中学3年 秋

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 勿論今でも、浩介の物以外、尊や紅花の食べかけの物を食べる事は出来ないと思う。 「もう、俺の部屋に来なくても淋し死にしない?」  尊にそう聞かれ、困ったように首を傾げる。 「……分かんない」  私のその答えに、何故か満足げな尊。 「なら、大丈夫だね」  そう言って笑った尊は、大きな欠伸を一つして、グイッと伸びをした。 「んじゃ、帰るわ」  尊はそう言うと椅子から立ち上がり、また来た窓から外へ出た。 「鍵、掛けろよ」 「うん。おやすみ」
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