第1章 ~それぞれの想い~

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今日も、天宮 祐樹は死体を山の下の方へ運んでいた。 「だれか、そこにだれかいるのか?み、水を・・・」 神職として認められている自分が、何も出来ず、不甲斐なさが募った。 声に応えてしまえば・・・ 目頭が熱くなる。 心の中で、ごめんなさいと 呟くように何度も唱えながら死体を運んでいった。 通り過ぎる、まだある命に対しても。 押し車を止め、祐樹は右手で陰を作りながら、天を仰ぎ見た。 神よ・・・・・これが、あなたの望まれた世界なのでしょうか? 楽しく過ごした平和な世界に戻せないのでしょうか? 家族で過ごした、あの暖かくも美しい日々を取り戻すことは出来ませんか? 誰も、傷つくことのない世界にできないのでしょうか?
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