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倉庫入口まで来た俺はその場でしゃがみ、中の様子をうかがう。
あの銃声の後からは銃声はしていない。
寧ろその時よりも静かという感じだ。
中の様子はいまだにわからないがアリサが心配だ。
俺はホルスターから銃を抜く。
銃はベレッタM93R。ベレッタ社が作ったマシンピストルでM92をもとに作られている。M92とは違いセミオートと3点バーストの切り替えができ、拳銃とほとんど同じ大きさだが制圧力は格段に上だ。
俺は93Rを構えながら倉庫へ潜入する。
倉庫の中は薄暗くジメジメしている。
なんだか嫌な空気だな。
とりあえずアリサと合流しないと……。
息を殺しつつゆっくりと進むがいまだに何も見当たらない。
アリサは無事なのか…
さっきの銃声はアリサのものなのか…それとも…
嫌な想像をしてしまうがアリサはAランク武偵だ。そんなことは起こらないと思うが。
ガキンッ!
ガギュンッ!
再び倉庫に響く銃声に俺は正気に戻る。
今のは銃声だけではなかった。
何か……金属のようなものが落ちるような音も一緒に聞こえた。
俺はそれらの音のした方を覗き込む。
そこには跳び箱を背に息を潜めるアリサがいた。
「アリサ!」
俺はついアリサに向かって叫んでしまう。
アリサは俺に気づき、こちらに目を向ける。
「バカッ!早くそこから逃げなさい!」
アリサの声とほぼ同時に俺の頭の上に影が浮かぶ。
上を向くとそこには黒く丸い球体が俺に向かって落ちて来ているところだった。
ズガンッ!
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