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まぁ人それぞれ自分のやることがあるし目標なんかがあるだろう。
それに口出しするのも無粋だよな。
「アリサも大変だな。頑張れよ」
「あなたも何か理由があってあんな事をしてるんでしょ?今乗せてもらっているお礼として手伝ってもいいわよ」
「いや、大丈夫だ。気にしないでくれ」
俺の事情にアリサを関わらせる訳にはいかない。
それにアリサといるとアレの危険性もあるしな。
「そう。それならいいわ」
さて、そろそろ会場に着くな。
さっさとこいつ降ろして式にいかないとな。
「おいアリサ、そろそろ着くけどどこら辺で降ろせばいいんだ?俺は自転車置き場に行くから途中で降ろすぞ」
「……おかしいわ」
おいおい、何を言っているんだよ。まさか会場入り口まで送れってか?
俺はタクシーじゃねえぞ。
「今日の始業式は特に銃や武器を使うような予定はないわ。なのにあそこの倉庫の扉が開いている」
「確かに倉庫が開きっぱなしと言うのは少し違和感があるがあそこは武器庫ではないぞ?」
確かあの倉庫は体育とかで使う用具をしまってある倉庫の筈だ。
主にハードルなどの陸上競技の物がしまわれている。
「確かにそうよ。でも今日は明日の模擬戦に使うためにいくつかの武器と弾薬を用意してた筈よ」
その話が本当なら確かにアリサの言う通りあの倉庫はおかしいな。
「ちょっと確認してくるわ。あなたは先に式に行ってなさい」
そう言ってチャリの後ろから飛び降りると、すたっと着地し倉庫へ走っていく。
おいおい、本当に行っちゃうのかよ。
でもこのまま俺だけ式に行くのもなんかあれだよな……
しょうがない、戻ってくるまで待ちますかね。ちょっとって言ってたしすぐ帰ってくるだろ。
そう思い、俺は携帯で時間を確認する。
うん、これは遅刻確定かな。
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