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それほどの気持ちがお互いにないままに、付き合いを続け、同棲も続けていた。
彼氏と彼女ではあったと思うけど、恋人ではなかった。
そんな私たちに別れは遅かれ早かれ訪れたに違いない。
むしろ、遅すぎたのかもしれない。
ゆいに貴之との別れを告げた日、私はゆいと部長に連れられて小料理屋の美月にいた。
単に、二人が心配して私を拾ってくれただけ。
それでも嬉しかった。
私の胸の内を話せるのは、ゆいしかいなかったから。
私のこのズケズケものを言う性格は男に限らず女に対しても同じで、それを敬遠されてこれまで親友と呼べる友達はいなかった。
珍しいでしょ?
学生時代からの友達なんて、今はほとんど連絡を取っていない。
社会人になって初めて、ゆいと親友と言える関係を築けた。
私とゆい。
全くタイプの違う二人。
むしろ、正反対と言ってもいいかもしれない二人なのに。
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