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まあ、それはさて置き、
何も知らなかった私は、貴之との別れを成瀬さんのせいだと喚(ワメ)き散らした。
何をやっているんだろう?
貴之との別れに未練があったわけでもない。
別れが辛かったわけでもない。
だけど、私は
幸せそうなゆいを見て、
ゆいに優しく笑う部長を見て、
自分が恋だと思ってたあの二年という年月の虚(ムナ)しさと、
彼氏だと思っていた貴之との浅い想いに
どうしようもない感情が溢れてしまった。
嫉妬とは違う。
ただ、自分の恋。
……恋と呼べればの話だけど、
自分のそれとゆいたちの恋の違いに無性に寂しくなってしまったのだ。
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