1751人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は友達の結衣(ユイ)に誘われていて、一緒に占い師の所へ行くのだ。
結衣は占いが大好きで、何かと占いに頼りたがる。
今回は何でも、前世占いだとかで、結衣は興味深々だ。
私は正直あまり興味がないので、付き添いだけのつもりだったが、結衣の「やろうよ!」に負けて予約を取ってしまった。
この夢の意味がわかるのだろうか?
あくまで占いだから、過度の期待は禁物だ。
でも特に占って欲しい事もないので、聞いてみてもいいとは思う。
「竜也(リュウヤ)は?」
「起こしてくるね」
夫に言われて、高校生の息子の部屋のドアを叩く。
「竜也!起きなさーい!」
息子は高校一年生だ。
朝は弱くて、自分一人の力で起きてくる事は少ない。
「遅刻するよー!!」
ドアをドンドンと叩いて、一応返事が聞こえたのを確認してから、キッチンへ戻った。
もう一人分のコーヒーとベーコンエッグとトーストを用意していると、竜也が起きてきた。
「おはよう」
「おはよー…」
竜也はパジャマのまま脇腹をボリボリと掻きながら、自分の席に着いた。
髪が伸びきってボサボサで、寝癖がひどくついている。
いい加減に切りに行くように行っているのだが、全然言う事を聞かない。
親の贔屓目を除いても、そんなに悪い顔ではないし、背も低くはないから、キチンとすればそこそこ男前になると思うのだが、本人が無頓着なため、残念な事になっている。
せっかくならば、カッコよくなろうとする努力をして欲しいと思うのは、親のエゴなのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!