始まりはある日突然に、というものですよね

7/41
前へ
/538ページ
次へ
「でも、当たるも八卦、当たらぬも八卦、って言うでしょ」 私は呆れた口調で返した。 「私だって全部信じてる訳じゃないよ! でも、ほら、今日の前世占いっていうのは初めてだから、今までとはまた違うんじゃない? 何て言われるのか楽しみだな。 伊知乃の前世も何て言われるんだろうね」 結衣は凄く楽しそうに言う。 前から思っていたが、本当に占いが好きだ。 結衣が今までに行ったことのある占いは、タロット、ホロスコープ、ルーン、姓名判断、手相、顔相、オーラ、易、水晶、霊感、などなど…全て一度ずつではない。 占いしてもらって、また数ヶ月すると、占ってもらいたくなるのだそうだ。 そんなにしょっちゅう行っていたら、どの占いを信じたら良いのか、わからなくなるのではないかと思う。 まあ、結衣の趣味であるのだから、あまりいちゃもんをつけるのも止めておくことにしよう。 「でも、前世占いといっても、霊感占いと同じなんじゃないの?」 私は少し疑問に思ったので聞いてみる。 「この占い師さんは、霊感だけど、特に前世を視るのが得意なんだって。 前世からわかる今世の生き方のヒントを教えてもらうんだよ」 「ふーん」 結衣には今生きていて、そんなに悩みがあるようには思えないが、あまり突っ込まないでおく。 そういう私にも、今特に悩み事がある訳ではない。
/538ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1751人が本棚に入れています
本棚に追加