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「でも、当たるも八卦、当たらぬも八卦、って言うでしょ」
私は呆れた口調で返した。
「私だって全部信じてる訳じゃないよ!
でも、ほら、今日の前世占いっていうのは初めてだから、今までとはまた違うんじゃない?
何て言われるのか楽しみだな。
伊知乃の前世も何て言われるんだろうね」
結衣は凄く楽しそうに言う。
前から思っていたが、本当に占いが好きだ。
結衣が今までに行ったことのある占いは、タロット、ホロスコープ、ルーン、姓名判断、手相、顔相、オーラ、易、水晶、霊感、などなど…全て一度ずつではない。
占いしてもらって、また数ヶ月すると、占ってもらいたくなるのだそうだ。
そんなにしょっちゅう行っていたら、どの占いを信じたら良いのか、わからなくなるのではないかと思う。
まあ、結衣の趣味であるのだから、あまりいちゃもんをつけるのも止めておくことにしよう。
「でも、前世占いといっても、霊感占いと同じなんじゃないの?」
私は少し疑問に思ったので聞いてみる。
「この占い師さんは、霊感だけど、特に前世を視るのが得意なんだって。
前世からわかる今世の生き方のヒントを教えてもらうんだよ」
「ふーん」
結衣には今生きていて、そんなに悩みがあるようには思えないが、あまり突っ込まないでおく。
そういう私にも、今特に悩み事がある訳ではない。
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