邪神のお勤め

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「ところで、早速悪いんだけど、この神殿を何とか住めるようにしたいんだよね。 クリューも手伝ってくれないかな?」 「もちろん喜んで。 何をすればいい?」 クリューは即答してくれた。 「この部屋は一応綺麗にしたんだけど、残りの部屋も掃除したいし、あとは外壁とか中の壁とか、天井もだよね。 ボロボロなのはどうしようかな…」 魔界にも大工さんとか、左官職人みたいな人はいるのかな? 人を頼むにしても、お金は世界共通だから、エレンで稼いだ分で何とかなりそうだけど… 「神殿は神の力と連動しているから、イチノが力を注げば、構造的な部分は何とかなるわよ。 中のお掃除は必要だと思うけどね」 クリューの言葉に驚いた。 「え!?もしかして、窓とか増やせたり?」 「その時の神の好みで作れると聞いたことがあるわ。 今からやってみたら?」 「やってみる!!」 私は本来の邪神サイズになって、神殿の壁に手を当てながら、大きな窓を増やすイメージをした。 すると、ゴゴゴ…と地鳴りのような音がして、部屋の壁に穴が開き、外の空気が入ってきた。 「うわっ!凄い!窓が開いたね!!」 「うん、できたわね」 ただ、窓というか、外との壁に穴が開いただけだ。 私はもう一度窓の構造をイメージして力を流すと、ガラスのついた観音開きの窓の形になった。 「できたけど、結構力を使うみたいだね」 掃除をしたのもあるからか、何だか疲れてしまった。 これ以上の改装をする気力がなくなって、私は人間サイズになってクリューの元に戻る。 「一度に色々改装するのは無理みたい。 今日はこれで終わりにするね。 クリューはここに住む?」 尋ねると、クリューは頷く。 「わたしはもう邪神の眷族だし、魔界ならばどこでも暮らせるから、今日からここに住むね。 イチノはどうするの?」 「私は家事があるから自宅に帰るけど、この世界とは時間の流れが違うから、しばらく戻れない感じになると思うよ。 クリューにお金を渡しておくから、好きなように使ってね」 「ありがとう。 そんなに使う事はないと思うけど、預かっておくね」 私が稼いだお金の一部をクリューに渡すと、クリューは懐にしまった。
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