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「あっ……は、んんっ…ふは、ぁう、ん…っ」
あれからすぐに覆い被さってきた里優は、深くキスをしたかと思うと俺の自身を握りこみ、緩く扱き始めた。
最初こそ抵抗したものの、手首や足は縛られてろくに動かせない上、恋人から与えられる快感と蕩けるようなキスに、俺は早々にやられてしまい…意識がぼうっとし始めていた。
だめだ……気持ち、い……。
「ん、ぁ…、っ?」
緩やかな快感の波に身を委ねてしまっていると、不意に唇が離れ、自身からも手が離された。
もどかしさに里優を見上げると、口に弧を描いて意地悪な笑みをうかべていた。
「ねえ、柚瑠……もっと、欲しい?」
俺はその言葉に僅かに理性が戻ると、思い切り首を振った。
「い、いいっ!欲しくないっ!!」
やられかけておいて何だけど!
里優の魂胆にのせられてたまるか!
俺は縛られていた手首をどうにか下肢の辺りに持っていき、自身を隠そうとした。
が…太腿に手をかけられたかと思うと、さらに足を開かされ、手首は退かされてしまった。
「っ、やっやめ…!」
俺はもがくように足と縛られた手首を動かすも、全く意味を成さなかった。
そして気づけば里優は、俺の自身に顔を近づけていた。
やめろ、そんな……そんな、近くに……!
俺は再び疼き始めてきてしまった自身の感覚に、涙目になりながら身を捩った。
「もう一度聞こうか…。ねえ、柚。もっと欲しい?」
里優は口元に意地悪な笑みをうかべたまま、俺の自身にわざと息があたるようにして言葉を発した。そして、自身には触れずに周りだけを撫でるようにして触れてくる。
「あっ…やぁ…っ」
俺はもどかしい感覚に、熱くなり始めた身を震わせた。
そのうち、思考がもう一つにしかいかなくなってくる。
早く……早く……っ。
「ほ、しい……っ、り、ゆう……触っ、て……っ」
涙を流しながら、俺は無意識に口からそう出してしまっていた。
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