Reversi

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  チン――  爽やかを通り越して胸が悪くなるような薄荷の香りと共に、エレベーターの扉が開いた。  空は水色、  若干の薄雲、  耳を過ぎるは緩い風。  そこはさびれたビルヂングの屋上。ところどころひび割れたコンクリの上に、色とりどりの金平糖が散らばっている。ばらまかれたその色彩のせいで、閑散としているのに華やか且つ賑やかな印象があって、奇妙な感覚を覚える。
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