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その時、
聖の腕を玄生が力強く掴んだ。
「……痛っ…。」
「……悪いな。
だけど、離す分けにはいかねぇ。」
「玄生?」
「……お前が帰ったらそれこそ、俺は独りでクリスマスを過ごさなきゃならねぇ。
…俺が言いたいこと分かるよな?
……“独り”の寂しさを知るお前なら、さ。」
玄生はいつもの朗らかな笑みではなく、真剣に力強い瞳で聖を射抜く。
「…………玄生は狡い。」
「何とでも言えよ。
………今夜は帰さないからな!!」
先程までの真剣な眼差しから打って変わって、いつの間にか、いつもの豪快な破顔に変わっていた。
「メリークリスマス。」
時刻は深夜の零時を過ぎ、二人きりの聖なる夜を迎えた。
狡い……
心のどこかで、強引に
この時、この場所、お前という存在に…
引き留めてくれはしないかと…
そう、聖夜の星々に願いを込めて期待してしまった、私が居た。
そう、“狡い”のは
素直になれない私なんだ。
Merry Christmas
星々に願いを…
Fin
2014.12.25
この後二人は、健全に聖夜を語らい、過ごせば良いと思うのです 真顔
いつも、好き放題やって、ごめんなさい!
いずれ、珠色さんの目に付くことを祈りまして、こっそり、クリスマスネタを置き逃げします。
おやすみなさい。
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