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「ようし…分かった!!
望み通り景気聖しよう。」
「!!!本当かよ!!?」
「その代わり、目を瞑っててくれ…。」
「おう!」
聖は玄生と改めて向き合う。玄生は素直にきゅっと瞼を閉じ、ぺろりと唇を舌で湿らせた。
「そのまま、そのまま…」
「あんまり焦らすなよ。」
聖は焦れったそうにする玄生の首にするりと手を回し、体を密着させる。
「………っ!」
「よーし!!目を開けて良いぞ!」
「え?」
「任務成功は勿論だが、
それ以上に玄生を守ってくれるようにと願いを込めた。」
唇に何の接触も無いまま、玄生が言われるがままに目を開き聖の手元を見ると、首にはいつの間にかネックレスがぶら下がっていた。
「おー!!なんだよこれ!!貰っていいのか?」
「あぁ、貰ってくれ。
以前、お洋服を買ってもらったからな…そのお返しだ。」
「そんなん、気にしなくていいのによー。
だけど、すげぇ嬉しいぜ!!ありがとうよ!!」
玄生はまるでおもちゃを与えられてはしゃぐ子供のように、きらきらとした目でネックレスを眺める。
「…気に入って貰えたようで良かったぞ。」
「当たり前だろ!
聖が俺のために選んでくれたものなんだからな!」
聖は安堵の表情と共に嬉しそうに微笑んだ。
「さて、そろそろ、会場に戻ろうか?」
「そうだな!
……って、あれ?もしかしなくとも“こいつ”が景気付け?
……ってことは、おい!!さり気なくまたお預けされてねぇか!?」
「はて、なんのことかなー?」
「聖ー!
お前、楽しんでるだろー!!?」
「……玄生、エスコートはしてくれないのか?」
明らかに話を逸らすかのようにエスコートをねだる聖に、玄生は呆れつつも、さも当然とばかりに破顔した。
「……全く…
…喜んで!お姫さん。」
おわり!
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