僕色に染まれ 第4話

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カララ……… 僕は写真部の教室のドアを開ける。 「ここなら誰も来ないし、心配いらないよ」 僕が振り向いて笑うと、結衣がキョロキョロと部室を見回しながら足を踏み入れる。 「おじゃましまーす」 少し遠慮がちに入ってくる結衣…… 「へ~写真部って旧校舎の4階にあったんだ……何度か来てたけど今日初めて気付いた……」 教室内を何度も見回しながら僕が出した椅子に座る結衣…… 「うん……4階の他の教室は全部物置代わりに使われてるからね……誰もこの階に部室があるなんて思わないからね……」 窓際に並ぶ机の上にあるポッドのスイッチを入れる。 歴代の写真部の先輩方からずっと使われてるポッドだ…… 「今、紅茶入れるから」 僕の言葉に顔を輝かせる結衣…… 「えー!祐くんが淹れてくれる紅茶?昨日いただいたヤツ?あれ凄く美味しかったー」 本当に満面の笑顔で言ってくれるから僕も凄く嬉しくなる。 「りんごは無いけどね……ダージリンティーになるけどいい?」 「うん!」 結衣は机の上に弁当箱を置くとパカッと蓋を開ける。 「うわ~美味しそう~」 「うん!ちょっとハンバーグ食べちゃったけどね。私の自信作だからさ祐くんに食べてもらいたくなっちゃって……だからね本当のこと言うと祐くんがBLTサンド手に入れられなければいいな~て思ってたんだ♪」 笑う結衣に僕の胸がキュンと鳴る……
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