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真城結衣……結衣は生徒会の頂点、生徒会長なのである。
「校章は?」
ニコッと笑いながら僕に近付いてくる。
「は、はい、忘れました……ハハハ……」
苦笑いで返すと、結衣の眼がキッ!とキツくなる。
「!?」
一瞬……僕の彼女である結衣じゃないように見えてドキっとする……
まさか……記憶が戻ってるのでは……と……
「違反者発見!ちょっと裏庭に行って注意してきます」
「はい!」
生徒会役員達に一言、言うと結衣は僕を校舎の裏側に連れて行く。
結衣の背中を見ながらついていく……
(さっきの眼……まさか本当に記憶が戻ってるんじゃ……いや、でもそんな……)
自分の頭の中で、グルグルといろんな考えが巡る。
胸はドキドキしてるし、やけに呼吸は息苦しい……
「さてと…」
裏庭で脚を止めるとクルッと振り向いて僕を見る結衣……
記憶が戻ってるのか……
それともまだ僕の彼女の結衣なのか……
ゴクッと息を飲む……
「まったく!ダメだぞ!彼氏とは言え私は立場上注意しなくちゃなんだから」
ニコッ!
その笑顔に僕の息苦しさは一気にどこかに吹き飛んで行く。
「う、うん!ごめん!明日は気をつけるよ」
僕が謝ると、結衣は笑顔で「よろしい!」と許してくれる。
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