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ドドドドドドドドドド!
静かだった廊下に靴音が響き渡る………
「待てーっ!!」
「先輩より先にBLT手に入れようてか?いい度胸だなーっ!!」
走る先頭に立つのは僕、村崎祐だった。
先輩だろうが、親友だろうが、関係ない!
憧れのBLTまであともう少し!
実に5ヶ月ぶりの栄冠まであと数メートルに迫っていた。
「よーし!BLTGETだぜ……!?」
喜びに声をあげた時、廊下横の玄関口から人影がスッと出てきた。
「うわあああああっ!?どいて!どいて!どいてーっ!」
「!?」
ドンッ!!と人影にぶつかり倒れる僕の横をBLT狙いの集団がドドド…と駆け抜けて行った。
「あ~あ~僕のBLT~」
視線の先の購買部でパンを巡って争いが起きてるのを見てるしかない僕……
僕の久々の栄冠はまたしてもこの手から滑り落ちたのだった……
ん?手?
ムニュ……
手に柔らかいパンでも持ってるような感触がある……
「なんだ?この感触……」
視線を下に落とすと、僕とぶつかって倒れた女子が僕を鬼のような顔で睨んでいた……
僕は……ぶつかった女子の上に馬乗りのように覆い被さっていて………その右手は彼女の左胸をモロに掴んでいた。
「………………」
「………………」
数秒後………
パン!!
廊下にビンタの音が響き渡った……
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