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「…俺、室井にあんなことした男だぜ?それなのに…応接室であの姿の室井を部長、俺に頼むって。そう言ったんだぜ?それに家まで連れてきて、室井だって俺に笑いかけて、ありがとうまで言って。…なんなんだよ。」
「部長もゆいももう過去になんてこだわってないと思うよ。…きっと、こだわって、過去に囚われてるのは成瀬さんだけ。」
正直に思ったことだけを言ったつもりだった。
そして、成瀬さんに笑ってみせた。
「…もういいんじゃない?…成瀬さん、部長や私たちと一緒にいて、居心地悪い?」
私はビールを一口飲んだ。
成瀬さんは少し間をおいて答えてくれた。
「…悪かねーよ。」
「なら、問題ないじゃん。」
成瀬さんは喉を鳴らして勢いよくビールを流し込んでいた。
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