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そう思っていると藤森が話しだした。
「受付にいるとね。」
「受付?」
「そう。あそこにいると会社のみんなを見られるでしょ?朝、あ、このひと二日酔いだ!とかさ、昨日泣いたのかな、目が腫れてますよーとか。いろいろわかるの。最近の成瀬さん、朝も早くなったし前と顔つき違うもんね。そうなってから、成瀬さんを訪ねてくるお客さんの顔つきも変わったの。気付いてた?どのお客さんも顔が明るいし、何より、訪ねてくるお客さんの数が増えたよね?」
「…そんなこと…わかんのかよ。」
「うん。そんな変化に部長も、ゆいも、周りの人も気付かないはずないよ。成瀬さんは変わったんだよ。」
一瞬…なんて言っていいかわからなかった。
でも、素直じゃない俺は言葉を選べない。
「上から目線かよ。生意気だな。俺、お前より3、4つは年上なんだけど。」
「え、そんなに!?そうなの?私、相手の精神年齢で態度決めるから。」
「は?そっちの方も俺のが上だろ!?」
「は?どこが?」
こいつは俺のペースを乱す女だ。
でも…
不思議とこいつのペースは嫌いじゃなかった。
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