第1章

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 足を踏み入れると、"ぐにゃん" まさにそんな形容詞が当てはまる感じに二人の姿が不自然にまがり、浩二の視界から消えていく。  逆にラミとゆいちの視界も空き地に足を踏み入れたとたん不自然にまがり見たことのあるような景色にかわる。 「これは・・・」ラミが唸る、そっくりだったのだあの家に、自分たちがお世話になっている霧島家に。 「先生、これって・・・」  ゆいちが表情を曇らせて振り返る。  「ええ、どうやら浩二どのの母親かもしれませんね、子を思うが故にその思いが強すぎて悪霊化しかかってあるのかもしれません」 「退治するの? 先生?」 すると、フッと優しく笑いゆいちの頭を撫でる。 「大丈夫ですよ、この家のイメージが明確なうちは自我を保っているということ、まだいけます」 「本当! じゃあ急ごう先生!」 「ええ、いそぎましょう!」 そう頷くと二人は中に入っていくのだった。
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