1人が本棚に入れています
本棚に追加
「私達は、まあなんというか見たとおり天使なのです」
ラミと名乗った男が話しだす、今だに信じられないけれどそうらしい。
「えっと、それじゃあ何故こちらのほうに?」
なんとなく敬語で切り返してしまう。
「今回は、この子ゆいちのためにきたんですよ」
言いながら女の子の頭をぽんぽんと軽く撫でて続ける。
「試験にきたんだよ!」
「試験?」
女の子の予想していなかった答えに少し頭を稼働させる、"試験? 天使に? いったいどんなんだろう?"
「まぁ、正確にいうと試験というか、ちゃんと役割を果たせるかどうかの見極めなんですけどね」
「見極め?」
浩二が問い返す。
「うんとね、ちゃんと天使のお仕事ができるかどうか審査するの」
ゆいちがこっちを見て答える。
「そういう事です、天使といっても色々役目がありまして、簡単にいうとこちらの世界でいう市役所みたいなものです」
ラミが身振りを交えて教えてくれる。
「で、今回はその見極めというか、審査のためにこちらに来ているわけですね」
なんとなく納得して敬語で答えてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!