第1章

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 「私達は、まあなんというか見たとおり天使なのです」    ラミと名乗った男が話しだす、今だに信じられないけれどそうらしい。  「えっと、それじゃあ何故こちらのほうに?」  なんとなく敬語で切り返してしまう。  「今回は、この子ゆいちのためにきたんですよ」  言いながら女の子の頭をぽんぽんと軽く撫でて続ける。  「試験にきたんだよ!」  「試験?」 女の子の予想していなかった答えに少し頭を稼働させる、"試験? 天使に? いったいどんなんだろう?"  「まぁ、正確にいうと試験というか、ちゃんと役割を果たせるかどうかの見極めなんですけどね」  「見極め?」  浩二が問い返す。  「うんとね、ちゃんと天使のお仕事ができるかどうか審査するの」  ゆいちがこっちを見て答える。  「そういう事です、天使といっても色々役目がありまして、簡単にいうとこちらの世界でいう市役所みたいなものです」  ラミが身振りを交えて教えてくれる。  「で、今回はその見極めというか、審査のためにこちらに来ているわけですね」  なんとなく納得して敬語で答えてしまう。
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