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しかし、キィオの憂鬱も虚しかった。
またあのキィオだけ責め立てる雌ガラスのいる遠方のゴミ置き場に『派遣』された。
「バックレたい・・・!バックレたい・・・バックレたい・・・!バックレてしまいたい・・・!」
キィオは小言のように、ブツブツと呟きながらまた長い空路を羽ばたいて行ったその途中のことだった。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ!!
「ん??」
何かをカタカタ叩く音が、赤い屋根の側の網の中からしていることにカラスのキィオは気付いた。
「なんだなんだ?」
カラスのキィオはどうしても気になり、赤い屋根の側の網で覆われたゲージに向かってやって来た。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカ・・・
「はっ!君は・・・・・・あれ?なんだっけ?えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと・・・」
・・・思い出せない・・・!
・・・なんという名前の鳥だっけ・・・?
・・・この太くて、尖った嘴と、赤い目と、白い体に、細い脚の鳥の名前・・・?
・・・ここまで出かかってるのに・・・?
・・・なんだっけ・・・?
カラスのキィオは、赤い屋根の前の舎の前で考えこんでしまった。
「えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと・・・
・・・・・・
・・・・・・
!!!!!!
はっ・・・!
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