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「雪華……。
俺はお前の抱えているものは何も知らない、分からない。
だけど、俺はお前を好いてる」
原田の突然の言葉に私は目を見開く。
原田が……私の事を、好いている?
その言葉で気付いてはいけなかった気持ちが動き出す。
告げたい。
私も好きだと、告げたい。
だけど……私は復讐の為に新選組に入隊した。
私は、長州。 倒幕派の者。
敵との恋は……許されない。
叶わない恋に夢を描くのならいっそ───。
「それは、残念ですね。
私は貴男の事など、好きではありません」
嫌われてしまった方が何倍もマシだ。
「……それは、雪華の本心なのか?」
「勿論ですよ、私は貴男の事なんか「なら!」
原田は大声を上げ、私の言葉を遮る。
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