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「先生!! 丁度紹介しようと思ってたんですよ。 晋作達も居ますか?」 「居ますよ。 なら私の部屋で話しますか?」 その人は優しく微笑むと、栄太郎の前を歩いて建物の中に入って行った。 「文、六人分の茶を私の部屋にお願いします。一つは冷まして下さい。 後、晋作達を呼んで来て貰えますか?」 前を歩く男の人は途中で女の人にそう告げてから部屋に入った。 栄太郎も後に続く。 「さて、なら晋作達が来るまでは火で暖まりますかね?」 男の人はそう言って火鉢をいじり出す。 「栄太郎、誰?」 男の人が私から視線をズラしたのを良いことに、私は小声で栄太郎に尋ねる。
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