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「もう良いでしょう、離して下さい。
そしてどうぞ局長方にお話下さい、覚悟は出来ています」
そう言って腕から離れようとすれば、更に強い力で抱き締められる。
「な!?
組ちょ…「少し黙ってろ」
そう言われ、私は抵抗する力を緩めた。
それを確認した原田は再び己の想いを紡ぎ出す。
「俺はお前が倒幕派だって事は誰にも言わねぇ。
さっきは驚いたけど、お前が倒幕派だとしても俺の気持ちは変わらないからだ。
だから、俺の恋仲になってくれ」
その言葉に止まりかけていた涙が再び溢れ出す。
「なぁ、返事はどうなんだ?」
「私っ、でも良いんです、か?
倒幕派なんですよ!?
バレれば貴男だってどうなる「だったら!」
「切腹させられる前にお前を連れて何処まででも逃げてやるさ。
お前が俺の傍で笑ってくれるんなら今すぐそうしたって良い」
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