願わくば

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あぁ……稔麿達が喋らないでと言っても言葉を紡いでいたのは同じ思いからなのかな? 「大丈夫だ、雪華! 必ず…必ず助けてやるから!!」 左之さん……無理してまで走らないで。 私はもう助からないから。 自分の事だからよく分かるんです。 「左之さん……聞いて…………」 お願い……ずっと信じていなかった、寧ろ恨んでた。 だけど神様……もしいるのなら、今だけで良いから、左之さんと話すだけの力を。 「私は、幸せ……でした。 そりゃ最初は、死んでいってしまった、周りの人を想って、神様を恨んでました。 だけど、貴男はそんな私を変えてくれた、恩人…だから。 だから、お願い……です」 沢山話せる時間はもう終わり。 後は一言しか話せそうにない。 でも、それで充分。
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