願わくば

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「私が、死んでも……心だけは………貴男、に………………」 次第に閉じられていく瞳に左之さんの涙を浮かべた表情と、その後ろの青い空が見える。 あぁ、死にたく無いなぁ……。 まだ私は貴男と共に在りたい。 涙が滲んできて、空の色が青から浅葱に変わる。 今日の蒼空の色は貴男の色。 左之さん……私は酷い女ですから『私を忘れて幸せに』なんて言ってあげられません。 だから、私の心は貴男に遺して逝きます。 ごめんなさい。 でも、愛しています。 貴男だけを永久に……。
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