三日月

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 時間は午後11時前。  女の人の話で抱腹絶倒したのは初めてで時の経つもの忘れるくらい楽しい夜だった。 「もっと喋ってたいけど、そろそろお暇しやなあかんなぁ。明日も仕事やし」  壁の時計を見て、澪が呟いた。 「せやな」夕弥もそれに同意する。  何となく寂しいと感じるのは気のせいだろうと言い聞かせる。 「っていうか、この手でお風呂入れるかな」  赤紫になった傷口を見せられると、途端に申し訳なさが込み上げてくる。 「片手ではやりにくいやろな」  あからさまにしゅんとしている夕弥を見て、澪はくすりと笑った。
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