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そのまま優雅に歩みを進め、裏センターの奥に位置するLUNAの扉を開ける。
カラン
小さな鈴の音に、店内の全ての人が反応したのがわかった。
「なあ! 今日は俺を指名してくれ」
「席料なら十万と言わず倍払おう」
「また俺に夢を見せてくれ!」
「私を酔わせてよ」
今やVIPルームの指名待ち部屋とも呼ばれているLUNAの一般部屋。
男性客が八人、女性客が二人。
今日も男性客が多いみたいだ。
それもそうか。
「本当に。今日も綺麗だよ、リン」
バーテンダーは私。
美人の女に大金を払うのは、大概男と決まってる。
今日は誰にしようか。
店内を見回して、目に留まったのは一人の男性。
三十代前半。爽やかな容姿と高級ブランドのスーツをサラリと着こなすオーラを持つ彼は、きっと女に不自由しない。
でも、大企業の社長という重圧に耐えきれず、救いを求めてここに来る。
前回から八日経った筈。
「話、聞いてあげる」
彼だけを見て、小さく微笑んだ、
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