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『兄貴の仕事、篤郎さんと親父が代わりにやってたんだぞ!』
「良かったじゃねえか。親父のボケ防止だ」
『ランは今日しゅーぎょー式! 俺が通知表もらってきたんだぞ!』
「ならポストいれとけ」
ベッドに戻れば、周りに空のペットボトルと銀色のごみが散乱していた。
こんなに減ったか。
「いや、買い物して来い。
飲み物と喉通りがよさそうな食い物、後で金やる」
『いい加減に一回出てこい!
ラン死ぬぞ! 死ななくても嫌われるぞ!
てか、ぶちぎれた親父とおふくろがそっち向かったからな!』
「ちっ」
この至福の時間もそろそろ終わりか。
「佑」
「ん……」
かろうじて意識がある佑に口移しで何口か水をやる。
「少し寝ろ」
「うん……」
汗ばんだ髪に口づけを落とし、佑を連れて奥にもう一つ隠してある寝室に入った。
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