新たな家族

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佑side 「ん?」 大きな声が聞こえた気がして、重い身体に鞭うって瞼を開けた。 まず最初に目に入ったのは肌色。 鍛えられた統也の胸が目の前にある。 でも、安心したのもつかの間。 「起きたか?」 「起きたの? え、見せて見せて!」 統也の声のすぐ後に聞こえたソプラノの声。 身体を反転させた先には知らない女の人がいた。 「え……だぁれ?」 どう考えても私はあられもない姿で声は掠れてる。 それを知らない人に見られるなんて。 顔に熱が集中するのを感じた。 「うっそ! 黒髪! 清純派美少女なんだけど!」 「うるせえ! 佑起きちまっただろ!」 「あんたが自分の部屋にあげるってことは本気なのよね? しかも抱いて寝るなんて! あんたにそんな甲斐性があったなんて!」 「本当にうるせえ! 黙れ!」 「あーもう感動! 嬉しい! 最高!」 たぶん、ドロ沼はなさそうだけど。 たぶん、統也の遊び相手とかではなさそうだけど。 「えっと……統也、この人、誰?」
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