14988人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、神田家はどこまでも、私の知ってる家族像の斜め上をいっていた。
リビングにいたのは亜紀に篤郎さん、お母様に、仕事の愚痴からお酒の趣味までよく知ってる……………………お客様。
「あなた! ほら! 統也の彼女!
見て見て! 統也がお姫様抱っこまでしてるのよ?
本気よ本気! あの統也が!
きゃー! あんなに跡までつけちゃって!
かーわーいーいーっ」
「涼子、落ち着きなさい。
…………って凜か!?」
「やっぱり京さん?」
「どこ行ってたんだー。心配したんだぞ?
凜がいなくなるから酒飲んでもつまらなくてな」
「ごめんなさいね、ちょっと事情があって。
オイタしなかった?」
「ハハ。してないしてない!
それより久しぶりの再会だ、何飲みたい?」
「え? ピンクかな」
「よしよし、何本でも入れよう!」
「ちょっとあなたどういうこと?」
「涼子、前に話しただろ。お気に入りのバーのバーテンダー、凜だよ」
「まあ! あなたのおかげでこの人、浮気も女遊びもやめたのよ?
一度会ってお礼を言いたかったの。ありがとうねー」
「マジで? 親父の言ってたイイ飲み場の姉ちゃんってラン?
女遊び説教したっていう?」
最初のコメントを投稿しよう!