龍皇 そして出会い

3/14
前へ
/369ページ
次へ
だから7月になってから、私は一度も教室には行っていない。 最近見つけた穴場、図書資料室に居座っていた。 昔の図書なんかを保管しておくこの部屋は、旧校舎にあるだけあって生徒はほとんど寄り付かない。 少し狭いけど、机と椅子はあるし扇風機もある。 裏庭に面する窓からは日も差し込んで明るいし、眺めもよくてかなり快適。 誰にも邪魔されず読書をしたり少しテスト勉強をしてみたり。 昼休みには亜紀が昼食を持ってきてくれるから寂しくもないし。 この四か月で一番ゆったりした時間を過ごしていた。 こんなことならもっと早く保健室登校ならぬ 図書資料室登校になればよかったと思うくらいだ。 でも、その静寂はアイツラによって壊された。
/369ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14957人が本棚に入れています
本棚に追加