龍皇 そして出会い

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「元から旧校舎に来るやつは少ないし、俺らの拠点に近づくなって言えば大丈夫だろ」 副隊長 西山啓吾(にしやまけいご)はとにかく総長に忠実だ。 父親も総長の父の補佐。 幼い頃から総長を支えてきたコイツはガタイがいい。 そのガタイと力で総長に近づく奴を徹底的に排除してきたし、私も思い切り倉庫の外に投げ飛ばされた。 おかげでくじいた足は二週間痛んだ。 そして、 「ちょっと学校来るとすぐコレだ。やっと五月蠅い女共から解放される」 この一際存在感のある声の持ち主が龍皇12代目総長 一宮晃。 私の元恋人。 もっとも、恋人だと思っていたのは私だけでこいつらからしたら私は都合のいい女除けだっただろうけど。 アッシュグレーのメッシュが入った髪に、惹きこまれるような黒い瞳。 関東1とも言われる暴走族龍皇の総長に若干16歳で就任しただけあって、存在感すら群を抜く。 喧嘩は負けなし。 走りもすごい。 年上の不良達をも従えるカリスマ性で、龍皇を過去最大の勢力にまで引き上げたすごい奴。 だけど、コイツも性格は最悪だ。
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