第1章

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私の準備には時間がかかる。 朝食はヨーグルトとフルーツをミキサーにかけたジュースと、温かいスープ。 美容のために五種類以上の野菜とフルーツを毎朝とる。 念入りに洗顔した後はお気に入りの美容液をたっぷりつけて、三分間の保湿パック。 化粧下地にファンデーションを塗り、お粉で肌を整えて。 眉はブラウンのパウダーではっきりと。 自慢のパッチリアイは上だけ付け睫で下は少しのマスカラ。 ラインは濃いブラウンにして、アイシャドウは明るめブラウンのグラデーション。 こうするときつすぎないナチュラルアイが作れる。 チークは青みがかったピンクをふんだんに使って、最後にくるくるぱーまがかった金髪を緩く二つに結べば準備は完了。 鏡に写る私はどこからどう見てもギャルだ。 でも、『私』を知らない人には非難なんてめったにされない。 だって私は美少女。 努力で掴んだ美貌がある。 メイクもヘアスタイルも、短いスカートも校則違反のネクタイも全てが似合ってる。 「大丈夫よラン」 鏡の中の自分に言い聞かせた。
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