15030人が本棚に入れています
本棚に追加
仕事の早さは流石としか言いようがない。
携帯が震えたのは、正午目前。
日曜ということもあり、まだ俺達がベッドでまどろんでいた時だった。
「ククッ」
「どうしたの、統也?」
「いや……」
寄り添う佑に画面が見えないよう、ポケットにしまいながらも笑いが止まらない。
《作戦成功》
そのたった四文字に、俺の欲望が満たされたのを感じた。
昨日はたっぷり俺の愛を見せつけた。
普通の高校生では手も届かないような贅沢を、この俺から受け取る佑を見て、馬鹿な女共は何を思ったか。
抱きしめ、愛を囁き、キスを贈る。
無償の愛で佑を包み、溺れさせ、佑もそれに応え、俺だけを愛す。
そんな姿を見て、あの夢見る聖女様は何を思ったか。
「いいな」
「何が?」
「お前は気にしなくていい。今日一日、ここで俺に溺れていることだけを考えておけ」
「ん……」
言い聞かせながら佑に口づけて。
再びベッドに縫い付けた。
最初のコメントを投稿しよう!