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《篤郎、首尾はどうだ》
《へい。
……それよりお嬢さんは?》
《寝てるから大丈夫だ》
そっと頬に触れれば、くすぐったそうに小さく身をよじる。
ベッドの傍らには銀色の空いた包みと2本のペットボトル。
明日のことを考えると、少し休ませないといけねえな。
冷えないように布団をかけて、そっと部屋を出る。
《……若が無理させたんでしょう》
《ハッ。あいつが煽るのが悪い。
それにあいつはどんな俺でも受け入れるさ》
もう、俺も佑も離れられないくらいお互いに溺れきってるからな。
そう続ければ、受話器の奥で呆れたような小さなため息が聞こえた。
《……まあ、そういうことにしておきます。
まずクラスの女達ですが、若の狙い通りです。
自分の男呼び出したり、いねえ奴は朝から男探してセンター街出たりしてやすね。
全員分の写真おさえました》
《パソコンに送っとけ》
《本当、今の弘山は馬鹿な女が多いってウチの奴が愚痴ってやしたよ》
《だろうな》
送られてきた写真を見れば、そこには期待以上の光景ばかり。
もともと、佑が晃の女になったことに嫉妬し、多くの男を虜にしたことを妬むような奴らだ。
昨日の俺達を見て、欲望が抑えられなくなったってとこか。
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