15031人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで、あの正論好きの聖女様は?」
《昨日の若とお嬢さんのご様子がかなり堪えたみたいですよ。
若い衆に見張らせてますが、朝からでけえ本屋に出かけてやす》
「だろうな」
あの様子じゃ本番どころかキスの経験もねえ。
恋愛もしたことねえお子様には刺激が強かったか。
最後にチラッと見た時には、憐れなほど顔が真っ赤だった。
《手にとる本はべた甘のエロ系恋愛小説と少女漫画ばかり。
しかも今日は極道もんばっかっすね。
その写真も今送りました》
パソコン画面に映るのは、辺りを気にしながら少女漫画を手に取るあの女。
「わざわざ友達に見つからねえよお遠くの本屋まで出かけたっつうのに、ざまあねえな」
《別に高校生なんすからいけねえわけでもねえのに、よくもまあ1時間もかけて買いに行きますね》
「いい子ちゃんやってる反動だろうよ。
家族や友人の前で『こうでなければならない』っつう理想の姿演じてっから、エロいもんを見てる姿なんて見せられねえ。
見てはいけないと思うと余計に見たくなる。
だが、本物は刺激が強かったみたいだな」
最初のコメントを投稿しよう!