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月曜日。
いつもと同じように統也と篤郎さんの車で学校に送られた。
いつもと違うのは、いつも以上に身体が重いことだけ。
「休日って休むためにあると思うんだけど」
少しむくれて統也に言えば、
「休んだだろ、丸一日ベッドの中にいただろ」
なんて悪びれのない言葉が返ってくる始末。
やけに機嫌のいい統也には何を言っても無駄だ。
諦めて、前方に迫る学校に視線を移した。
「あ……」
校門の前にいたのは視界に入れるのも嫌な子。
人気者のあの子がいるからか、クラスの半数以上まで集まってる。
「どうした?」
「……何でもない」
またしつこい勧誘生活が始まると思うと気が重い。
でも統也に心配かけるのも嫌で何とか誤魔化した。
「篤郎さん、統也。校門前混んでるから、ここでいいや」
「そうか」
「いってらっしゃい。お嬢さん、迎えはいつもの時間で」
「うん」
統也にドアを開けてもらって、触れる手と手を愛しく思いながらさっさと車を降りた。
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