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「あの! 蘭沢さん、全然教室に来てないんです」
「あ?」
「学校に来たら応接室に直行で、教室には全く来てくれなくて!
これじゃあ友達も全然作れないと思うんです」
「そうだな」
「そうだなって……」
統也の言葉が思いもよらぬものだったからか、田中美亜子は口ごもった。
あーあ。
なんて他人ごとみたいに思ってしまう。
この子は『キレイ』だからきっと理解できないんだろうな。
「当たり前だろ。俺が応接室を用意させたんだから」
「え……」
驚いたのは彼女一人で、周りからは「やっぱり」「だよな」なんて言葉が聞こえた。
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