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「用意したって……」
「言葉の通りだ。
ここの教頭達に言って応接室をあけさせて、佑が不自由しねえように冷暖房から机、ソファーに至るまで全て最新の高級品に入れ替えさせた」
「え、だってそれじゃあ蘭沢さん孤立するばかりで友達できませんよ?」
「いいんだよ。佑には俺だけで。
まあ、友人らしいのは一応亜紀がいるしな。
こんなとこ通う必要ねえ」
「ら、蘭沢さんのこと好きなんですよね!?
楽しい学校生活送ってほしくないんですか!?
幸せになってほしいって思わないんですかっ!?」
「フッ」
耳の少し上から、統也の楽しそうな笑い声が聞こえた。
この声は水族館でもパーティーでも聞いた。
私を見せびらかす時の、満ち足りた、優越感からくる笑い。
「幸せ?
俺が幸せにするに決まってるだろ。
そのための金と地位だ。
心も身体も生活も、俺一人で佑を満たしてやる。
昨日だって何にも邪魔されず、二人きりで愛し合ってた。
これからも嫌って言うほど愛して愛して、幸せにしてやる。
今だってこんなに艶やかで美しい佑を、これから先も引き出してやる。
この感覚、男にまともに愛されたこともねえガキにはわからねえだろ」
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