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畳みかけるように叫んだ。
でも、そんなこと亜紀に言っても無駄。
「別にいいじゃん、ラン本人がいいっつってんだし。
むしろ仲いい奴がたくさんいた前より、今の方がずっと笑ってるって!
それにさ、寄り道なんかしてたら兄貴がキレる!
ただでさえ離したくないから学校行かせたくないとか言ってんのに、これ以上兄貴との時間が減ったらやつ当たりされるわ、俺が!
兄貴キレると手つけられないからマジ大変なんだぞ!?
ぜってーごめんだな!」
亜紀がへらへら笑いながら言うと、信じられないとでもいうかのような表情を浮かべた。
――でもまあ、確かに亜紀の言う通り。
うわべだけの付き合いが無くなって、ずっと自然体でいられるようになった。
人気もファンも、メイド喫茶の売上も考えなくていい。
亜紀と一緒にいる時間は、馬鹿なことばかり話してるのに話が尽きない。
亜紀の授業中はのんびり自分の時間を過ごせる。
今更かたっ苦しい友情なんてはぐくみたくない。
そして何より、統也との時間を邪魔されるのだって嫌だ。
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